• 2020.05.16

    音を鳴らして耳鳴り緩和

    • ブログ
    5/13の朝日新聞に『耳鳴り 音を流して症状緩和』という記事が掲載されていましたので、ご紹介いたします。

    突然始まった耳鳴りにより夜眠れなくなってしまった方が、病院で耳鳴りを緩和する音楽療法の一つ「TRT」(耳鳴り再訓練療法)を始めたところ、耳鳴りが続いてはいるものの強さが緩和されたという話でした。

    当院の患者さんの中にも、病院でTRTを受けていらっしゃる方がおられます。
    TRTとは、音が出るサウンドジェネレーター機能が付いた補聴器を耳につけ、雑音やオルゴール音などを聞き続け、脳を耳鳴りに慣れさせて苦痛を軽減させることを目的とした音楽療法です。

    日本聴覚医学会がまとめた耳鳴診療ガイドラインによると、『脳が耳鳴りを危険な音と認識すると不安や苛立ちが生まれ、自律神経に影響を受ける。その結果、さらに脳が耳鳴り音を危険なものと判断し、優先的にこの音を意識する悪循環が起きる』とされています。
    音楽療法は、静寂を避けて耳鳴り音に意識が集中しないよう仕向け、こうした悪循環を断ち切ることを目的としています。
    また、同記事には『耳鳴りの根治に特効薬はなく、ガイドラインは、耳鳴りそのものの消失や改善を目標に薬物療法を選ぶのは、科学的な根拠がなく適当ではないとした』との記載がありました。

    当院でも、以前のブログで発信させていただいたように、耳鳴りでお悩みの患者さんには「なるべく無音の環境を作らないようにしてください」とお話ししています。
    また、どんな時に耳鳴りの症状が強くなるのか原因を探るために、1日の食事内容や睡眠時間、天候や特筆すべき出来事と耳鳴りのレベル(点数)を記録する、記録療法をおすすめすることもあります。
    耳鳴りを意識し過ぎるのも考えものですが、記録をつけることにより生活の改善に意識が向き、耳鳴りの緩和に繋がった例も沢山ありますので、その方の症状に合わせておすすめしています。

    筋肉を緩め血流を改善させ、自律神経を整えることで肉体的にも精神的にも症状を改善させる鍼治療と合わせてご提案させていただいておりますので、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。
    鍼治療は病院の治療と合わせて受けていただけますので、ご来院を悩まれていらっしゃる方も、お気軽にお電話やメールでご相談いただければと思います。


    出典:5/13発行 朝日新聞 朝刊