聴神経腫瘍による難聴

どんな病気?

聴神経腫瘍は、聴神経にできる良性の脳腫瘍です。腫瘍が神経を障害すると、めまいや難聴、耳鳴りを発症します。重度になると、顔面神経麻痺や顔面の痙攣、顔面の知覚麻痺、歩行障害や意識障害などを生じることがあります。原因のひとつとして、携帯電話の電磁波の可能性がある、との指摘がWHOから勧告されています。

病院での治療法

診断には、頭部MRIが有用です。小さな腫瘍や、高齢者、体力のない方には、経過観察や、身体の負担が少ない放射線照射治療で腫瘍の進行を抑えることがあります。成長の速度が速い腫瘍、大きな腫瘍は手術適応となります。

当院で行うハリ治療

最近では、難聴の患者さんのほとんどが聴神経腫瘍の検査のためMRIを受けられています。検査の機会が増えたためか、聴神経腫瘍による難聴と診断された方が多くなった印象があります。

聴神経腫瘍による難聴と診断されても、ハリ治療が適応することがあります。難聴や耳鳴 りや、めまいが、必ずしも聴神経腫瘍起因でない場合もあるからです。ただし、ハリ治療によって耳の機能が回復しても、聴神経腫瘍が消失したことにはなりません。病院の定期検査で経過観察が必要になります。