外リンパ瘻

どんな病気?

別名ダイビング難聴とも呼ばれます。ダイビング中の水圧などにより、内耳の外リンパ液が中耳に露出することによって、内耳の生理機能が障害される疾患のことです。

ダイビング以外にも交通事故の頭部打撲や強い鼻かみでも起こることがあります。主な症状は強烈なめまいや難聴です。耳閉感、頭重感、歩行障害を伴う場合もあります。

難聴の程度は、外リンパ液が漏れ具合によって変わります。重症の場合は次第に聴力が低下し、失聴になることもあります。

病院での治療法

瘻孔が自然閉鎖する可能性があるので、脳脊髄圧を下げる目的で頭を30度挙上した状態で安静を保ちながらステロイドを使用します。

保存療法で治らない場合や、症状の悪化が見られるときは、瘻孔をふさぐ手術が行われることがあります。ひどいめまいが止まり、日常生活ができるようになることが多いようですが、聴力は下がったままのことも多々あるようです。

当院で行うハリ治療

発症後、早期にハリ治療を始めることで治ることもあります。当院では、ダイビング難聴の方で、沖縄から手術を受けるために上京された方がいらっしゃいます。手術予定日前の2日間、当院で集中漸減療法(集中治療)をしたところ健常化し、結局手術は中止になりました。1年後に再診で来られましたが、健常のままでした。

ハリ治療は、めまいの心配のない体位で行います。たとえば、右耳の外リンパ瘻の場合、右耳を上にしたままで治療します。横向きが無理な場合は仰向けか、うつ伏せのまま治療することもあります。嘔吐に備えて袋を用意することもあります。