突発性難聴

どんな病気?

突発性難聴とは 、ある日突然、おもに片耳が聞こえなくなる高度感音性難聴です。原因は不明ですが、ウイルス説と内耳の血液循環不良説が有力です。

日本では、2012年の患者数は7万5000人と推定されており、年々増加の傾向にあります。そのうち、健常化するのはわずか1/3といわれています。

診断は、症状の経過を見たうえでなければ難しいようです。いちど「突発性難聴」と診断された後に、聴力低下や変動、めまいなどの再発により、診断名が変更されることも珍しくありません。

病院での治療法

発症の医学的機序、原因が不明なので、病院での治療にも統一されたものはなく、個別の選択になっているようです。

どこの病院でも、ステロイドホルモンが第一選択になっているようです。投薬と点滴があります。これで回復が思わしくない場合は、抗血栓薬のデフィブラーゼに切り替えるところもあるようです。

ただし、ステロイドホルモンの長期連用は副作用の点から望ましくありません。実際、当院でも、気分の落ち込み、胃痛、不眠、湿疹、高血圧、高血糖などの副作用を訴える方がいらっしゃいます。

なお、ステロイドホルモンは、妊娠中や授乳中の女性には投与できません。糖尿病、肝疾患の方にも注意が必要とされています。

その他の治療法として、薬剤、高圧酸素療法、星状神経節ブロック、ステロイド鼓膜内注入療法などがあるようです。

当院で行うハリ治療

早期の突発性難聴は、ハリ治療の効果が大いに期待できます。

難聴の程度や発症日からの経過日数などにもよりますが、基本的に1クール10回の集中漸減療法にて行います。詳しい治療法は、「治療メソッド」、「治療の流れ」をご覧ください。

なお、当院では、突発性難聴の健常化例は1652例、そのうち発症3週間以内は1203例、3週間~2カ月は308例、2カ月以上は141例に上っています(2019年8月現在)。

耳の違和感や不調を感じたときは、放置しないで、お早めに病院や当院をお訪ねください。また、発症から時間が経った例でも、健常化した、耳の調子が良くなった方がいらっしゃいます。あきらめずにハリ治療をお受けいただきたいと思います。