• 2019.09.01

    2019年度 いっしょう健康倶楽部第24号を発行いたしました。

    • いっしょう健康倶楽部
    年1回発行のいっしょう健康倶楽部では、1年間の治療実績をお知らせしています。冊子は受付にて配布しております。ご希望の方は、どうぞお申し付けください。






    ○本年度の健常化は210例に!

    平成29年12月から平成30年11月までの1年間に、突発性難聴ハリ治療ネットワークの治療院でハリ治療を受けて健常化(元の正常な状態に戻ること)に至った突発性難聴等の症例は210例に達し、8年連続で200例を超えました。本年度も「集中漸減療法」によって、できるだけ少ない治療回数でできるだけ高い治療効果を上げる治療を実現しました。これは病院のステロイドパルス療法にヒントを得て開発した治療法で、1日目は4回、2日目は3回、3日目は2回、4日目は1回のハリ治療を行うものです。以後は1回か2回の治療をします。ハリ治療は1日に1回という従来の考え方にとらわれない「集中漸減療法」によって、これまでは治らなかった重症例においても治る例が出てきています。

    ○集中治療効果が顕著だった症例

    ドイツから帰国して突発性難聴のハリ治療を受けた28歳の患者さんは、発症後22日目で1日4回の集中治療から始めて31回の治療で健常化に至りました。イタリアから帰国した69歳の患者さんは、発症後1年1ヶ月目で1日4回の集中治療から始めて6回の治療で健常化に至りました。国内ではさらに集中した治療によって健常化した症例もあります。発症後3か月が経過していた青森県の14歳の中学生は、3日間、毎日5回のハリ治療を受け、地元に帰って病院で検査を受けたところ健常化していました。発症後9日目の香川県の17歳の高校生は、1日6回の集中治療を含めた16回の治療で健常化に至りました。

    ○健常化の61.4%は1日3回以上の集中治療で

    遠方から来られる患者さんは「集中漸減療法」を希望されることが多く、発症後の経過や症状において難しい条件があっても健常化に至る例が多くあります。本年度の集中治療による健常化例は、1日目6回から始めた場合で1例、1日目5回から始めた場合で4例、1日目4回から始めた場合で77例、1日目3回から始めた場合で47例、合計129例に上り、健常化例全体の61.4%を占めます。また、1日だけの治療で健常化した例がこの1年で22例あり、これは全健常化例全体の10.5%です。10年前の実績では1日だけで健常化した例は8例でしたから、「集中漸減療法」の大きな効果が見てとれます。  もちろん、状況や患者さんのご希望によっては「集中漸減療法」を行わない場合もあり、1週間に1回、もしくは2回といったペースで治療をする場合もあります。

    ○「めまい」にもアクアウォーキング療法が有効

    本年度の特徴として、めまいを伴う症例が多くあり、スマホの普及との因果関係が懸念されます。 また、今までほとんどなかった聴神経腫瘍の症例も見られ、携帯等の電磁波の影響も危惧されているようです。今年も「めまい防止カード」を全ての治療室に用意し、起き上がり時のめまい発生の防止に役立てました。めまいのリスクがあるときは頭部を冷却すれば有効とわかり、クールパックの用意をして治療に臨みました。また、めまいにもアクアウォーキング療法の有効性があることがわかったので、これもお勧めしています。

    北海道に突発性難聴ハリ治療ネットワーク誕生

    ○ 加えて、今年は念願の北海道に突発性難聴ハリ治療ネットワークが誕生しました。これで本州、北海道、四国、九州に「突発性難聴ハリ治療ネットワーク」が広がりました。

    【データ収集の対象】

    突発性難聴をはじめとする耳の症状を主訴として、突発性難聴ハリ治療ネットワーク参加治療院で受診、健常化なさった患者さんの症例を集計した数です。